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HouseH2021_住宅_民家_光天井_庭_和室_4畳半

HouseH 畳半の丘
2021

計画地 
敷地面積

建築面積

延床面積

構造  

用途

 

設計 
構造設計​

施工会社

撮影  

 

掲載  

神奈川
223.97 m²
67.53 m²
134.96 m²

木造一部RC造 地下一階地上2階

専用住宅

岸本吉正
村田龍馬設計所 
大同工業株式会社
山内紀人

warmth works

住宅設計.jp

architecture photo

archdaily

四畳半~小さな丘 住まいを構成する単位として4畳半グリッドを採用した。 そのグリッドに沿って領域を配置する、分割するというルールで構成する。 これはかつての二間取、三間取といった日本建築の構成システムの延長にある。 単純なルールで構成でき、小空間にも大空間にもなるというフレキシブルさがあり、 多様な機能に対応できる柔軟な形式である。 4畳半グリッドはいくつ繋げても、どの方向に繋いでも良い、外殻が自由な計画とした。 その上で敷地条件や、施主の要望を取り入れ、住まいの全体像を作ることにした。 敷地は1980年代に丘陵地を宅地開発した段丘状の造成地の一画で、敷地南側には街路樹や庭が並び、建築協定によって緑豊かで良好な住環境が計画的に作られた郊外の住宅地である。 お施主さんは若いご夫婦、子供、犬、猫である。 お施主さんからは広い庭で遊べること、開放的なLDK、子供の成長に合わせてコミュニケーションやプライバシーの確保がしやすい間取り、和室、屋上、駐車場などの要望があった。 まず、駐車場高さの確保、生活空間のプライバシー性と開放性を両立するため、 北側の地面を上げ、南側に最大限の庭を確保した。 庭の地面は緩やかに傾斜させ、内部には4畳半の段床を並べ、それが屋上まで連なる小さな丘のような場所とした。 庭に向かう大開口の先には目隠し植栽と街路樹を借景とした景色を確保し、様々な天井を計画することで、開放感と落ち着きのある空間を作った。 それぞれの天井は、空や周辺の緑、人の気配を抽象化した光天井、屋上まで繋がる吹き抜け、荒々しい杉の表情を現した勾配天井、光を鈍く反射する低く白い天井など多様な空間性を持たせた。 最も奥の空間に住まいのコアとなる水回りと主寝室を配置し、それ以外がフレキシブルに使える部屋の集まりとした。 段差は、物を置く、座る、子供が遊ぶ、犬、猫が登るなどの様々なアフォーダンスを想起する350mmという抽象的な段差が連なることで、予め要望に沿って計画された機能を内包しながらも、その空間の機能が曖昧な状態になることを目指した。 ソファを置く、ダイニングテーブルを置く、子供のおもちゃを置く、ベッドを置く、何かしらの設えによって使える空間を見つけられる状態が空間をより豊かにすると考えたからである。 また、各階には用途のない空間を用意した。 便宜上、サンルーム、ホールと呼ぶが、実際の用途はライフスタイルの変化や生活の中でのつぶさな行為に追従する。 ときには庭で遊ぶ際の東屋、ちょっとした接客空間にもなり得るような空間である。 結果的にできた間取りは、4畳半という、収納を作るとコンパクトな空間で、一人で過ごすには少し広い、大人数で過ごすには狭い、という微妙なスケール感によって、少しずつその境界がずらされたり、分割されたり、多様な空間が相互に影響し合う住まいとなった。 誰にでも簡単に組み合わせられるシステム、使い方を発見できる空間は設計者の手を離れたとしても、作られ続ける建築になるのではないかと考えた計画である。 外観は寄棟屋根が途中で垂直に切られたような形の主屋に下屋を付け加える形とすることで、この建築の拡張可能性を示しつつ、この住まいの個性とした。 壁面には上品でさらっとした質感の檜を使用し、経年によって移り変わる外観とし、緑豊かな町並みと馴染む風景を作った。

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